レギーナ・ミュールホイザー著、姫岡とし子監訳『戦場の性――独ソ戦下のドイツ兵と女性たち』 364頁。定価3,800円 岩波書店
当センターのメンバーである石井香江も翻訳にかかわった、本書は、第二次大戦中の独ソ戦(1941-44年)において、ドイツ兵と、彼らが旧ソ連地域で出会った女性たちとの間の多面的で複雑な関係(残虐なレイプをはじめとする性暴力、売買春、「合意の関係」、恋愛、婚姻等)を描いています。日本語版の題名からはわかりにくいですが、占領下におけるドイツ兵の子供たちについても第5章で論じております。また、この日本語版に収録されている「日本語版への序文」では、ドイツ軍の性暴力と日本軍「慰安婦」制度とが詳細に比較されています。