日時: 2019年10月23日(日)10:00~17:00
会場: 同志社大学烏丸キャンパス 志高館 SK119
(地下鉄「今出川駅」1番出口より北に徒歩5分)
参加費: 会員:無料、一般:1,000円、学生/正規労働者以外:500円)
スケジュール
10:00-11:00 自由論題
「日本軍「慰安婦」問題をめぐる日韓知識人による否認(denial)の政治学」
報告者: 坂本知壽子さん(大韓民国延世大学社会発展研究所、大阪公立大学都市科学・防災研究センター)
討論者: 堀田義太郎さん(東京理科大学)
11:00-12:00 総会
12:00-13:30 ランチ休憩
13:30-17:30 シンポジウム
「日本軍「慰安婦」問題をどう教えるか・どう学ぶか?――歴史/国家/国際社会」
パネリスト:加藤圭木さん(一橋大学)、平井美津子さん(立命館大学)、艮香織さん(宇都宮大学)
討論者: 高良沙哉さん(沖縄大学)
1997年に日本軍「慰安婦」問題の解決を目指し設立された本学会も25周年を迎えます。戦時における女性に対する(性)暴力への国際社会での意識の向上とは反対に、日本社会における認識は、日本軍「慰安婦」制度をめぐる歴史の歪曲・否認を通じて、退行を続けています。
そもそも日本軍「慰安婦」制度(日本軍性奴隷制度)は、戦後の歴史叙述の中でほとんど語られることはありませんでした。しかし1990年代、金学順さんら被害女性が次々と自己の被害を語ったことをきっかけに歴史研究が進み、日本軍「慰安婦」制度の実態が明らかになり、深刻なジェンダー差別・民族差別に根付いた日本の帝国主義的侵略戦争遂行に不可欠なものとして、この残虐な制度が遂行されたことがわかっています。こうしてようやく明らかにされてきた史実の隠蔽を図る歴史教育へのあからさまな政治家介入は言語道断であり、歴史を見つめ、その反省の上に社会を改善していくという未来に対する冒涜ともいえる行為に他なりません。市民の批判精神を涵養する教育への政治介入は、わたしたち一人一人の自由な想像力に対しても、看過しえない制約を課す暴力といってもよいでしょう。こうした状況は、国際社会に日本国憲法が伝えている、平和を希求し、その実現にむけて国際社会に協力するという約束を反故にすることにもつながっています。
こうした状況を背景に、学会設立25周年記念として、「日本軍「慰安婦」問題をどう教えるか・どう学ぶか?」をテーマに、日本における学校教育のあるべき姿や現在の問題点、また学生に限らず市民が歴史を学び・学びなおすことの大切さ、学ぶ場をどう創造していくかなど、多角的な視点から市民にとっての「歴史」の意義をみなで考えるシンポジウムを開催します。
パネリストとして、朝鮮近代史を専門として大学教育の中でゼミ生たちと日韓・日朝問題を考察されてきた加藤圭木さん、中学校の社会科教育において、日本軍「慰安婦」問題を含めた過去の日本社会・国家の姿を未来に向けて伝えていく実践を重ねると同時に、自由な教育実践を政治介入により妨げられるという経験をされてきた平井美津子さん、性教育・人権教育の一環として日本軍「慰安婦」問題を現代的な視点から学ぶ意義を考えてこられた艮香織さんに登壇頂きます。
シンポジウムに多くの方が参加して頂き、未来に向けて日本軍「慰安婦」問題をどう学んでいくのか、皆さんの経験にも触れるような大会を目指します。多くの被害者の方々がお亡くなりになられた今、私たちがなすべきことは何かを考える機会にしたいと思っています。
主催: 「女性・戦争・人権」学会事務局
共催: 学フェミニスト・ジェンダー・セクシュアリティ研究(FGSS)センター